東京鍼灸マッサージ協同組合理事長としてご挨拶させていただきます。

 療養費の動向に関して2018年を振り返ってみますと、6月からの料金改定と10月からの同意書の取扱いの変更があったことが挙げられます。
 料金改定につきましては、引き上げ額があまりにも小さかったことから何らの収入増にもならないばかりか、往療料の距離加算の統合が進みました。同意書の取扱変更は支給可能期間が3か月から6か月に延長され口頭同意が廃止されたことにより、療養費支給申請書には必ず同意書の添付が義務付けられてしまいました。同意書面に記載すべき項目や事項も大幅に増やされてしまったことにより複雑化してしまい、医師の負担の増加が明らかとなってしまい、加えて施術報告書の作成や往療内訳書に見られる通り、新規書面の作成も求められるようになりました。
 2019年は新たに受領委任の取扱いが始まります。しかし、これとて受領委任を導入する判断自体が「保険者の自由裁量」とされたことから、多くの健保組合がこれに参加せず、国保は準備不足で受領委任参入が大幅に遅延することがすでに報告されている現況です。
 同意書作成の手間が大幅に増加したことから、医師の記載漏れを主とした不備返戻が今後大量に発生します。近い将来、往療料が全廃され、保険者の嫌がらせ返戻、外部委託点検業者の患者照会等により、施術者と患者は窮地に追い込まれ、結果として療養費支給申請をあきらめ、手放すのではないかと心配しています。
 国や保険者として適正化の名の元に行われた療養費縮小策が成功し、私たちあはき施術者と患者さんたちは、ますます保険施術が困難となる環境に置かれ続けます。だからといって、自費メニューへの移行もなかなか難しいのです。
 「苦しい、食べていけない」と私たちが声を合わせて主張しても、現実の厳しさを変えることができません。
 これから新たに広告に関するガイドラインが策定され、原則的には“何も広告できない”仕切りが導入されることも心配のタネですが、それでも先生方が1件でも多くの保険を取扱うことができますように、そして皆さま会員が安心して治療活動に専念できますように、私ども東鍼協にできることは何でも全力をもって対応させていただきます。
 保険で請求できる環境にあるものは療養費の仕組みをめいいっぱい活用し、保険請求できないものや保険に馴染まないものにあたっては自費メニューを上手に組みあわせながら、せっかく今まで続いてきた療養費取扱いの道ですから、これを閉ざしてはならないことを肝に命じ、全力で組合員の皆さまをお支えして参ります。

                       東京鍼灸マッサージ協同組合
理事長 上 田  孝 之