今回の「理事長の東鍼協ノート」は、組合員からいただいた質問にお答えします。

 鍼灸施術療養費の保険請求について質問します。
療養費の請求にあたり、てい鍼や皮内鍼を使った施術も保険請求して問題ありませんか。
また、電気温熱灸は電気温灸器使用と同様の30円しか加算できないのでしょうか。

 てい鍼とは刺さない鍼で先端が丸くなっており、擦ったり押し付けたりして鍼としての刺激を与えるものなので、鍼の治療法ということで問題ありません。特に刺激に敏感な患者さんや小児に使われていますが、もちろん一般の方にも十分の効果が期待できる「はり治療」です。「てい」とは金属製の「御匙(おさじ)」を意味し、金属でできたさじ状の鍼というのが元々の意味です。皮内鍼(ひないしん)は、鍼の形態の一つで、ごく細く短い鍼を皮膚組織内に刺入し、絆創膏などで固定して、1日から数日留置する治療法です。1970年代には大相撲の大関旭國が背中に皮内鍼をつけて土俵に上がっていたのを私も覚えています。この両方とも「はり施術」であることから、てい鍼や皮内鍼を使った施術は、はり施術として保険請求して問題はありません。

次のご質問ですが、鍼灸施術には電療料30円加算ができます。具体的には電気温灸器又は電気光線器具を使用した場合に、はり・きゅう施術の実施を条件に30円加算ができます。鍼灸療養費に温罨法加算(80円)はありません。このことから、鍼灸療養費には電療料30円の加算が認められていますが、鍼灸施術を行わずに電療料の加算のみは認められません。(これらの電療料と温罨法の加算については、鍼灸とあん摩マッサージと柔道整復のそれぞれの療養費支給申請にあたっての解説を、鍼灸柔整新聞2016年1月25日付号6面記事にて解説していますので参考にしてください。)

結果としては、電気温熱灸はそもそも電気を使用した「きゅう施術」であって、施術そのものの行為を指すので電療量30円加算の対象ではなく、施術料(きゅう1術であれば1,300円、はり・きゅう2術併用であれば1,520円)です。ご質問の主旨が、温罨法加算(80円)ができないのかということであれば、「マッサージ施術療養費」には温罨法加算ができます。さらに電気光線器具使用の場合はこの温罨法と込みで110円の加算もできます。しかし、はり・きゅう療養費には温罨法料に相当する80円加算はありません。鍼灸療養費には電気温灸器を使用した場合の電療料30円のみの加算が認められているのみで、しかも鍼灸施術を行わずに電療料の加算は認められません。繰り返しますが、鍼灸療養費に温罨法加算相当(80円)はないのです。電気温熱灸は灸施術そのものであり“加算対象”ではないことと、鍼灸療養費には80円加算が存在しないことに留意してください。