2018.07 理事長コラム『施術報告書交付料とはどういうものなのか』
今月のテーマ: 施術報告書交付料とはどういうものなのか
施術報告書交付料は、施術報告書に施術の内容・頻度、患者の状態・経過等を記入し、その施術報告書や直近の診察に基づいて医師が「再同意」を判断する旨を患者に説明したうえで交付した場合、又はその旨を患者に説明したうえで支給申請書に添付するために必要な写しを交付して、患者に代わって患者が診察を受ける医師に原本を送付した場合にその度ごとに請求できるものです。ただし、初回請求時に添付した同意書、診断書により支給可能な期間の施術について、施術報告書を患者に複数回交付した場合であっても、支給は1回に限られます。また、初療若しくは直前の医師による再同意日の属する月の5ヶ月後(初療若しくは再同意日が月の16日以降の場合は6ヶ月後)の月に施術報告書を交付した場合又は施術報告書を交付した月の前5ヶ月の期間に係る療養費の支給で施術報告書交付料が支給されていない場合に支給されます。今年の10月施術分から適用されます。
施術報告書は6か月ごとの再同意を医師から取得するときに、あはき師が作成して同意医師に対して報告する書面です。書面作成を施術者に求めることから、その作成費用に関しての手間賃との位置付けで施術報告書交付料“300円”が療養費支給申請書で請求できます。この施術報告書を医師が確認し、そのうえで医師の直近の診察に基づいて再同意する仕組みが導入されたということです。これで「同意書の撤廃・形骸化運動」の芽は完全に潰えました。私は残念でなりません。
施術報告書についてもう少し説明します。従来までの3か月ごとの口頭による再同意が廃止されて、その代わりに6か月ごとに“文書による同意書の添付が義務付けられる”という運用変更に伴い、併せて、医師から再同意を得る際に、施術者であるあはき師と同意医師との連携を緊密にし、必要な施術が確実に行われるようにすることを目的に施術報告書の作成が導入されたということです。あはき療養費の不正対策の一環として検討専門委員会での議論を経た上での決定事項です。
一方、再同意書の交付にあたっては、医師の診断に基づくことが従来よりも強まったことから、医師が再同意書を交付したにもかかわらず保険者からの一方的な“嫌がらせ判断”で不支給にするハードルは上がりましたね。